経営実績(経営収支・損益等)を裏付ける取り組み内容等

養鶏場の施設と飼養管理、経営実績の概況をまとめてみると次のようになります。
(1) 鶏舎構造
  • 新旧2棟の小型ウインドウレス鶏舎に1段2羽飼い、旧鶏舎の収容能力は2,880羽、新鶏舎の収容能力は2,000羽です。
  • 鶏舎内部は500羽を1群としたブロックに分かれており、完全な清掃・消毒が可能なため衛生的な飼養管理が出来ています。 また、給水はいずれの鶏舎もニップルドリンカーにより行っており、衛生的な給水方式であり、適正な鶏ふんの水分含量となり発酵処理も円滑に進んでいます。
(2) 給与飼料
  • 給与飼料は全て農協のものを使用しています。成鶏にはウインドウレス専用飼料「成鶏用ウインドウレス195」、育成鶏には「ハイパワーチック」のシリーズものをそれぞれ与えています。また、特殊卵「浜っ子」の生産のために独自の割合で鉄分とビタミンEを配合しています。
(3) 飼養鶏種
  • 赤玉対応として:ボリス・ブラウン、白玉対応として:ローラを用いていますが、直販経営のため赤玉が主体となっています。
(4) 成鶏の更新と強制換羽
  • 更新鶏は初生ビナと130日齢で導入していますが、原則は初生ビナ導入で、養鶏場の環境に合致したひな育成ができ、生産効率の向上、卵質の向上が図れています。
  • 成鶏の供用期間は150日齢を基点に13.5ヶ月を目標にし、卵質の向上を図っています。
  • 淘汰・更新はこれまで適宜淘汰で対応してきましたが、鶏舎の収容余裕があるので、生産性品質向上のためオールインオールアウトの体制にしました。
  • 衛生面、品質面から強制換羽は実施していません。  
(5) 鶏糞の処理
  • 除糞は週に1回実施し、即時にコンポストで堆肥化し、臭気対策と衛生害虫防除を計っています。
  • 堆肥化した製品は有機質肥料の「発酵鶏ふん」として製造者名と成分を表示のビニール袋に袋詰めし、主に農協を通じて全量販売しています。  
(6) にわとりと鶏舎等の衛生管理

  • 導入ヒナについては必要なワクチネーション(ND、鶏痘、IBD、IB、EDS等)殆ど実施しており、このところ鶏病の発生はみていません。
  • 抗体検査は家畜保健衛生所で、年2回ほど実施しています。
  • サルモネラのチエックも家畜保険衛生所で、適宜実施しています。
  • ウインドウレス鶏舎のため野鳥等からの鳥インフル対策も完璧となっています。







■ 現在までの先駆・特徴的な取り組み

経営・活動の推移のなかで先駆的な取り組みや 他の経営にも参考になる特徴的な取り組み等
取り組んだ動機、背景や取り組みの実施・実現に
あたって 工夫した点、外部から受けた支援等


(1) 家族労力(本人、妻、長男)による経営です。


(2) 生産鶏卵全量を新鮮卵で、固定のお客(約300戸)への配達販売をメインに庭先販売(約200戸)を展開しています。


(3) 常に生産コストの低減と飼養鶏の健康向上に留意し、安定供給・品質向上を図っています。

(4)ウインドウレス鶏舎は、臭気、鳴き声、目隠し等都市化の中で養鶏を実施する鶏舎として最適で、石川式ウインドウレスはロット管理が可能です。

(5) 発酵鶏糞を製造元・成分表示の袋詰めで全量販売しています。

(6) 現在横浜農協の養鶏部長で情報の収集と同業者仲間との協調連絡に心掛けています。


都市化の波であちこちに大きな住宅団地が出現し、いつの間にか消費者に取り囲まれました。

この地の利に着目し、養鶏経営を農住共存の線にシフトすることにしました。
それからは、5棟に分散していた成鶏舎の集約化、配達販売をメインにした庭先販売の強化、ブランド特殊卵「浜っ子」の開発を手がけ、経営安定に挑戦しています。

 この都市化の中でも経営がスムーズに行える石川式ウインドウレス鶏舎を選択した事が、年間を通じて安定した鶏卵供給が行えていると思います。

家族の協力と顧客の信用に恵まれ、順調に生産体制と販売体制を維持しています。

  長男の就農を機会に若干の規模拡大を図り、経営の更なる向上を進めています。


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(社)神奈川県畜産会 2005