(1)独自の肉豚共進会開催による肥育技術の研鑽
定期的な肉豚の生体勉強会や協議会独自の肉豚共進会を開催し、種豚改良や肥育技術、豚肉の評価や選抜技術を全構成員が習得し、高品質肉豚生産技術の高度化を図っている。大型の食肉市場が主催する肉豚共進会やJA全農神奈川県本部が主催する肉豚共進会では常に上位を独占し、毎年、神奈川県養豚協会が主催する県全体の肉豚共進会でも、やまゆりポーク生産者協議会のメンバーが常に上位入賞し、今年度の共進会でも上位入賞するなど、高品質豚肉生産技術は最高の水準に達している。
(2)消費者ニーズの把握と「安全で安心な豚肉」供給の努力
食肉市場動向や消費者ニーズを把握するため、食肉市場の視察や取引状況の分析を行うと共に、販売促進のため販売店への訪問や消費者との交流(マーケットの広場での豚の体重当てクイズや豚肉試食などイベントの実施)を通じ、消費者ニーズの把握や生産者の顔の見える販売を心がけている。販売キャンペーンを行う時には店頭の販売員として、消費者とコミュケーションを図り、安心して購入頂ける良質豚肉生産の励みとしている。
消費者との交流を積極的に行うため、神奈川県養豚協会が主催する「かながわトントンまつり」(養豚農家と消費者の交流イベント:子豚とのふれあいや、豚肉料理教室、豚肉のバーベキュー、豚肉の即売などの催し)で、消費者や地域住民に豚肉や養豚業への理解を深める行事に積極的に参加している。
(3)「やまゆりポーク」の品質向上とブランド発展の努力
「やまゆりポーク」の生産が拡大し、ブランドの商標登録が取れてやまゆりポーク生産者協議会が正式に発足してから約10年が経過し、県内豚肉の高品質ブランドとして定着し、県外にも販路が拡大しつつある。これは、品種の構成をランドレース種、大ヨークシャー種、ヂュロック種の組み合わせとしグループ内の種豚流通により、血統の統一に努めている。また肉質を左右する飼料については、大麦を配合し、ビタミンを強化するなど、飼料を提供する全農神奈川と共同開発した専用飼料を利用するなど「やまゆりポーク生産マニアル」により、統一した高品質豚肉生産技術を常に改良し経営の安定を図ると供に、消費者に「やわらかくておいしい豚肉」と評価されるブランド豚肉が安定して徐々に拡大している。
(4)経営継続のための環境対応と後継者育成の努力
都市の中の畜産は家畜排泄物法への対応施設や管理と共に、臭気対策も考慮した施設整備や管理が必要不可欠となっている。豚舎尿汚水は神奈川方式の活性汚泥浄化槽の利用や流域下水道の利用により処理し、豚ふんはコンポストや堆肥舎で堆肥化し、近隣の野菜生産農家に販売している。