かながわ畜産ひろば
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平成20年度

平成20年度畜産経営技術高度化促進事業

 本県の畜産は、畜産物需要の増加を背景に順調な発展を遂げ、先進的な取組みにより全国を牽引する役割を担ってきましたが、都市化による環境問題や経営者の高齢化等により飼養農家数は減少し、規模拡大も困難なことから飼養頭羽数も減少しています。さらに世界貿易機関(WHO)農業交渉や対豪との経済連携協定(EPA)交渉等の影響による価格低迷等経営への不安の拡大や環境対策など決めて厳しい状況にあります。特に、米国等におけるバイオエタノール増産を起因としたトウモロコシ価格の急騰による飼料価格の高騰は、生産費を押し上げ、再生産を可能とする畜産物価格が形成されない現状において畜種を問わず喫緊の課題になっています。

 このため、自給飼料の増産やエコフィードの利用促進を一層図るとともに飼養管理の工夫により生産性を高めコスト縮減を行うことや、融資等を利用するなどにより安定的な資金運用を図る必要があります。また、近年においては生産者の法令等遵守(コンプライアンス)や食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できる人間を育てる「食育」という考え方が求められる状況にあり、畜産農家の果たす役割は益々重要になっています。

 こうした中、畜産を含めた農業の発展のため、平成17年3月に、国は食糧自給率の向上等を目標とした新しい「食料・農業・農村基本計画」を策定するとともに平成19年度から3ヵ年を担い手育成のための集中改革期間とし、農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)農業近代化資金の無利子化等、認定農業者を中心とした担い手への施策の集中化を図っています。

 こうした国レベルの動きがある中で、神奈川県では、平成18年4月に「神奈川県都市農業推進条例」を施行するとともに、この条例に基づき、都市農業の持続的な発展に関する総合的かつ長期的な目標及び施策の方向を定めて指針に沿って支援活動を進めています。

 一方、畜産会では、高い経営技術と先進的な感覚を持った畜産農家の皆さんと連携して、畜産物の生産振興を図るべく消費拡大のための各種イベント等を行うとともに、インターネットを活用して、畜産の広報・啓発に努めています。経営診断成績や生産流通情報の提供、また、家畜排せつ物の処理や悪臭問題などの環境整備などに積極的に取り組むとともに、エコフィードの利用促進や製品の販売促進を図る情報発信等畜産経営支援に一層努力しているところです。

 本誌は、平成19年度に畜産会が実施した「畜産経営技術高度化促進事業」による診断結果について、概要を取りまとめたものであります。皆様がこれからの畜産経営改善や指導資料として、本誌がお役に立てば幸せに存じます。   

平成20年7月

社団法人神奈川県畜産会
会長 石井 清  

平成20年度 分析結果と考察